
大理石の補修は自分でできる?傷・欠けの修繕方法やシミ汚れの落とし方、業者依頼のポイント

大理石は、ホテルやマンションのエントランス、オフィスビルのロビー、住宅のキッチンや洗面台など、あらゆる空間に高級感と上質さを与えてくれる建材です。
その美しい光沢と天然の模様は、空間を一段と格調高いものにしてくれるため、多くの方に選ばれています。
しかし大理石は、見た目の美しさとは裏腹にとてもデリケートな素材です。
日常生活の中で、ちょっとしたことで傷がついたり、シミができたり、艶が失われてしまうことも少なくありません。そんな時に気になるのが「補修」です。
「軽い傷は自分で直せるのか?」「専門業者に依頼するとどのくらい費用がかかるのか?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。
そこで本記事では、大理石の補修が必要になる理由から、症状別の対処法、DIYと業者依頼の違い、費用相場、業者の選び方まで徹底的に解説します。
大理石はなぜ補修が必要になるのか?
大理石の特徴と劣化しやすい原因
大理石は古代から建築や彫刻に用いられ、ヨーロッパの宮殿や寺院などでも多く見られる高級素材です。
日本でも高級ホテルやマンションのロビーに多く採用され、天然石ならではの「重厚感」と「独特の模様」が魅力とされています。
ただし、大理石の主成分は炭酸カルシウムであり、これは「酸に弱い」という性質を持ちます。
レモンや酢、ワインなど酸性の液体が付着すると、化学反応で表面が溶け出し、光沢が失われたり白く曇ったりします。
さらに大理石は硬度が低いため、御影石やセラミックタイルに比べて傷がつきやすいのも特徴です。
また、多孔質で吸水性が高いことから、水分や油分が内部に染み込みやすく、一度できたシミは簡単には取れません。
キッチンや浴室などでは特にトラブルが起きやすく、定期的なメンテナンスや補修が必須となります。
大理石のよくあるトラブル(傷・欠け・シミ汚れ・艶落ち)
大理石に起きやすい代表的なトラブルには次のようなものがあります。
- 傷(ひっかき傷):家具を動かしたときや靴底の砂、金属製のキャスターなどによって細かな傷がつくことがあります。浅いものなら目立たない場合もありますが、積み重なると光沢が失われてしまいます。
- 欠け・割れ:重たい物を落としたり、強い衝撃を受けたときに角や表面が欠ける、ヒビが入るといったトラブルです。小さな欠けなら補修材で直せますが、大きな割れは専門技術が必要です。
- シミ汚れ・水垢:飲み物や調味料がこぼれて染み込むと変色やシミの原因になります。赤ワインやコーヒーは特に注意が必要です。また浴室や洗面台では水垢がつきやすく、放置すると落ちにくくなります。
- 艶落ち:日常的な歩行や掃除で表面が摩耗し、光沢を失います。酸性洗剤を誤って使用してしまうと、表面が腐食して曇りがちになります。
これらのトラブルは時間が経つほど深刻化し、補修の難易度や費用が増していきます。そのため、早めに適切な補修を行うことが、美しさを長く維持するための鍵となります。
大理石の補修方法|症状別の対処法

傷・ひっかき傷の補修方法
浅い傷であれば、市販の大理石専用研磨パッドやコンパウンドを使って磨くことで改善できます。
磨く際は粒度の粗いものから細かいものへと段階的に使用し、最後に艶出し剤を塗布することで光沢を戻せます。
ただし、深い傷や広範囲に渡る傷はDIYでは難しいです。部分的に磨いても仕上がりにムラが出やすく、逆に傷が目立つこともあります。
その場合は、専門業者による「再研磨仕上げ」が最適です。プロはダイヤモンドパッドを使って表面全体を均一に削り、凹凸を取り除いた上で艶を復元してくれます。
欠け・割れの補修方法
大理石の角が欠けた場合、小さな範囲であればエポキシ樹脂や瞬間接着剤で埋める方法があります。
しかし色合わせが難しく、仕上がりが不自然になることが多いのが難点です。
専門業者は、周囲の模様や色に合わせて顔料を調合し、自然な見た目に仕上げる技術を持っています。
さらに研磨で表面を整えることで、補修跡をほとんど分からない状態にできます。大きな割れや複数箇所の欠損では、部分的な張り替えや補強工事が必要になるケースもあります。
シミや水垢の補修方法
シミは、付着してすぐなら中性洗剤や大理石対応のクリーナーで落とせる場合があります。
しかし時間が経つと内部に浸透してしまい、簡単には除去できません。その場合は専用の吸着剤ペーストを用いたシミ抜き方法が有効です。
水垢の場合、酸性洗剤を使用すると大理石を傷める原因になります。
必ず専用洗浄剤を使い、研磨パッドで優しく磨きましょう。特に水回りでは日常のこまめな拭き取りが、シミや水垢の発生を防ぐ最良の予防策となります。
艶の復元・研磨での補修方法
大理石の艶を取り戻すには、専門的な研磨が必要です。プロの業者はダイヤモンド研磨機で表面を段階的に磨き上げ、最後にコーティングを行うことで新品同様の光沢を再現します。
この工程は単なる美観の回復にとどまらず、表面に保護膜を作り、傷やシミがつきにくい状態を維持する効果もあります。
特に人の出入りが多いエントランスや商業施設では、定期的な研磨とコーティングが不可欠です。
DIY補修と専門業者に依頼する場合の違い
DIYでできる範囲と注意点
大理石補修を検討するとき、まず多くの方が思うのが「自分で直せるのでは?」ということです。
確かに、市販されている大理石専用の研磨パッドや補修キットを使えば、軽度の補修は自分でも可能です。
家具の移動によってついた浅いひっかき傷や、飲み物をこぼしてすぐに拭き取ったシミなどであれば、DIYでも一定の改善効果が期待できます。
ただし、DIYには限界とリスクがあります。大理石は非常にデリケートな素材のため、誤った方法で補修すると状況を悪化させる可能性があるのです。
たとえば、一般的な研磨剤や酸性洗剤を使ってしまうと、表面が白く曇ったり艶が失われたりします。また、研磨の力加減を誤ると、逆に広い範囲に傷を広げてしまうこともあります。
さらに、欠けやヒビに対して市販の補修材を使っても、色や模様を完全に合わせるのは困難です。結果として補修跡が目立ち、美観を損ねてしまうこともあります。DIYは「応急処置」として割り切り、あくまで一時的に目立たなくする程度と考えておくのが賢明です。
そのため、DIYを行う場合は以下の点に注意しましょう。
- 必ず「大理石専用」と書かれた研磨材やクリーナーを使用する
- 酸性・アルカリ性の強い洗剤は使わない
- 力を入れすぎず、テストとして目立たない箇所から試す
- 補修後は水分を残さず、乾拭きで仕上げる
基本を守れば、小規模なトラブルであればDIYでもある程度対応できますが、それ以上のトラブルは業者に任せた方が確実です。
専門業者に依頼すべきケース
DIYでの補修が可能な範囲を超えるトラブルについては、迷わず専門業者に依頼するのがベストです。
特に以下のようなケースでは、プロの技術が必須となります。
- 深い傷や広範囲の艶落ち:表面を全面的に均一に研磨し直さないと改善できず、DIYではムラが出やすい。
- 大きな欠けや割れ:欠損部分を樹脂で補修するだけでなく、色合わせ・模様の再現・研磨仕上げまで必要。高度な調色技術を持つ業者でないと自然な仕上がりは困難。
- シミ汚れが長期間放置されて広がっている:ポウルトリ法などの専門的なシミ抜き処置が必要。家庭用洗剤では取り切れず、逆に悪化させる恐れあり。
- 高級カウンターや人目に触れる場所:住宅のリビングカウンター、オフィスやホテルの床など、仕上がりの美しさが特に重視される場所では、プロの仕上げでないと不自然さが残ってしまう。
業者に依頼するメリットは、見た目の美しさを回復できるだけではありません。
プロは「補修後の再発防止策」まで含めて施工してくれるため、長期的に見ればコスト削減にもつながります。
たとえば、補修と同時にコーティングを施せば、今後のシミや傷を防げるため、次回の補修までの期間を延ばすことができます。
補修にかかる費用相場の比較
DIYと業者依頼の大きな違いのひとつが「費用」です。
DIYは道具や材料さえそろえれば比較的安く済むのに対し、専門業者に依頼すると数万円〜十数万円かかることもあります。
DIY補修の費用感
- 大理石専用クリーナー:1,000〜3,000円
- 研磨パッドセット:3,000〜5,000円
- 簡易補修キット(樹脂など):5,000〜10,000円
総額1万円以内で始められるケースも多く、軽微な補修ならコストパフォーマンスは高いです。
専門業者に依頼する場合の費用相場
- 傷の研磨:1㎡あたり10,000〜20,000円
- 欠け補修:1か所につき10,000〜30,000円
- シミ抜き:1㎡あたり10,000〜20,000円
- 床全面研磨+コーティング:10㎡で100,000〜200,000円前後
初期費用は高めですが、プロの施工は仕上がりが均一で美しく、さらに数年単位で持続するため、長期的に見れば費用対効果が高いといえます。
また、DIYで失敗した場合、結局業者に依頼し直さなければならず、余計なコストがかかることもあります。
「確実に美観を取り戻したい」「失敗して余計に費用がかかるのは避けたい」という方には、最初から専門業者への依頼をおすすめします。
大理石補修を業者に依頼するメリット

プロならではの技術と仕上がり
プロの業者は、経験に基づいた判断力と高度な技術力を持っています。
大理石の種類や模様を正確に見極め、専用のダイヤモンド研磨機や薬剤を駆使して、自然で美しい仕上がりを実現します。
DIYでは到底再現できない「新品同様の光沢」が戻るのは大きな魅力です。
再発を防ぐコーティング・メンテナンス提案
補修後の再発を防ぐために、専門業者はコーティングや定期メンテナンスを提案してくれます。
浸透性コーティングで内部に保護膜を形成すれば、シミや汚れがつきにくくなり、清掃の手間も軽減されます。
さらに、使用環境に応じた清掃方法やメンテナンス周期のアドバイスも受けられるため、長期的に美観を維持できます。
安心できる保証・アフターサービス
信頼できる業者に依頼すれば、施工後の保証やアフターサービスも充実しています。
万が一仕上がりに不具合があった場合でも、追加対応してもらえる安心感があります。
DIYではこうした保証はなく、すべて自己責任になるため、長期的な視点では業者依頼のほうが安心です。
大理石補修業者の選び方
施工実績と技術力で選ぶ
大理石補修は高度な専門知識と経験が必要です。施工実績の豊富な業者は、多様な石種やトラブルへの対応力が高く、仕上がりの満足度も高い傾向にあります。
業者の公式サイトや事例紹介、口コミを確認し、信頼できるかどうかを見極めましょう。
見積もりと料金体系の透明性
大理石補修の料金はケースごとに大きく変動します。
現地調査をしっかり行い、補修内容や費用の内訳を明確に提示してくれる業者を選ぶことが大切です。
後から追加費用が発生しないか、保証の有無なども必ず確認しておきましょう。
法人・ビル管理会社だからできる信頼性(ひとえいちの強み)
「ひとえいち」は第一ビルメンテナンスの子会社として、法人・ビル管理会社ならではの高い信頼性と安心感を備えています。
大理石補修だけでなく、建物全体の清掃やメンテナンスに関する豊富なノウハウを持っており、単発の補修にとどまらず、長期的な建物管理までトータルサポートが可能です。
組織的な体制とアフターサービスの充実は、個人事業主にはない大きな強みです。
まとめ|DIYは応急処置、根本的な補修は専門業者へ
大理石は高級感あふれる建材ですが、傷や欠け、シミ、艶落ちといったトラブルがつきものです。
軽度のトラブルならDIYで応急処置できますが、根本的な補修や美観の回復には専門業者の技術が欠かせません。
業者に依頼すれば、新品同様の仕上がりに加えて、再発防止のコーティングやアフターサービスによる長期的な安心も得られます。
費用はかかりますが、長い目で見れば資産価値を守る投資といえるでしょう。
特に法人・ビル管理会社としての信頼と実績を持つ「ひとえいち」なら、確かな技術とサポート体制で大理石の美しさを長く維持することが可能です。
大切な空間を輝かせ続けたい方は、ぜひ専門業者への依頼を検討してみてください。